September 23, 2005
『母』

代表作?といえば…かの有名な『氷点』
ウエディングの仕事に携わっていると
教会挙式の中で
三浦光世・綾子夫妻のことを取り上げて
夫婦とは?結婚するとは?ということを
語りつつ、聖書の愛について
説教をしてくださる牧師さんもいて
何となく身近に感じている方。
(そのわりに読んでなくて、80余りもあるという
彼女の作品から私が読んだのは5つくらいだけど・・・)
旭川に生まれて教師をしながら
軍国主義・戦争とともに生き、終戦を迎えると
肺結核と脊椎カリエスを患い、その後も
帯状疱疹や直腸ガン、パーキンソン病などの
大病とも闘いぬいた苦悩の生涯にともにあったのは
キリスト教の信仰。
彼女が世に送り出したたくさんの作品に
共通しているテーマは「人間はいかに生きるべきなのか」
ということなのだと思う。
30代も半ばになると、友達とのおしゃべりも
「人生」がテーマになることが多いので
書評や帯に書かれている“家族”とか“生きる”などの
文字に自然と敏感に反応してるんだと思う。
今また、彼女の作品を読もうと文庫本を積み上げています。
悪名高き<治安維持法>により<特高>に拷問死させられた
プロレタリア文学作家の小林多喜二とその母セキの
波乱の生涯を描いた『母』というこの小説を、
戦後60年の8月に本屋で手に取りました。
母セキの訥訥とした秋田弁の語り口調で書かれていて
それだけで何だか胸に込み上げてくるものがあるのです。
多喜二の理想と信念をずっと見守り続けていた母セキ・・・。
親の存在の有難さに涙した一冊でした。