June 21, 2006

映画 楢山節考

楢山節考







父の日には何も要らないから、みんなでゴハンでも食べようということになり
集まった席で
「『楢山節考』をBSでやるよな。観るかな」と父がぼそっと言った。

深沢七郎作の小説を原作として、信州の“姥捨山の伝説”がベースにしかれた映画。
古いのは1958年に木下恵介監督で田中絹代がおりんを演じたものがあるそうだけど
今回のは、今村昌平監督を偲んだNHKの追悼上映。
カンヌでイマヘイさんが1回目のパルムドールを受賞した作品ですね。

「すごく観たいかも〜。お父さんNiceな情報をサンキュウ♪」
と帰宅して、早速鑑賞。
いつもチャラチャラしている私も、今日はひとりで「死」というものと
少し向き合うことになった作品。

信州の、ものすごく山深い村が舞台なんだけど、ロケはいったいどこだ?
小谷とかかな?

坂本スミ子扮する、おりん婆ばは
家族のため、村人のため⇒つまり若い衆のために
今まで自分が培ってきた、この村で暮らす知恵を授けながら
自分の健康さを少し恥じながら、暮らしている明るくて元気なおばあちゃんで
その年の夏に、山向こうの村からもらった長男の後妻にも
自分の知っていることは何でも惜しみなく教えてくれる
優しくて賢いお姑さんでもある。

そんなおりん婆ばも村の掟に従って、今年あたり“楢山まいり”を迎えようとしていた。
70歳の冬には誰もが楢山へ行く-----それは、山で死ぬことを意味する。
村の口へらしが目的でもある楢山まいり。
毎日の食べるものにも窮する貧しい村の未来を守るため、
そしてそれは村にたくさんの恵みをもたらす山の神様を畏れ敬う
村人たちの最高の信仰心の表れでもあり。

“楢山まいり”の日。
最愛の息子に背負ってもらいながら、裏山を登り、池を巡り、七谷を越えて、道なき道を
一言も言葉も交わさずに、ただひたすらに、楢山の頂上をめざす。
でも、そこに待っているのは、白骨が散乱し、カラス飛びかう禿山。
おぞましい死の世界。

山を降りるときに
「おっ母あ、雪が降ってきたよう! 運がいいなあ、山へ行く日に」
と母に向かって叫び、母の成仏を願う息子。歌のとおりだ。
自分の編んだ藁のゴザの上に正座をし、手をあわせている母は黙って頷いた。

雪のように、身も心もほんとうに清らかに静かに死を迎えようとしているおりん婆ば。
もう仏のような境地なのであろうか。誇り高く生きた人の、迷いのない心静かな死。

私がそんな風に死ねるとは思わないけれども
年を重ねると言うことは、少しずつ迷いから解き放たれていくことだと思いたい。

藤原新也の
「死というものは、なしくずしにヒトに訪れるものではなく
死が訪れたその最期のときの何時かの瞬間を、ヒトは決断し、選びとるのです。
だから 生きているあいだに、あなたが死ぬときのための
決断力をやしなっておきなさい。」

ということばを思い出しました。
過去の記事より「メメント・モリ」著:藤原新也

楢山節考
1983年/日本
監督:今村昌平
原作:深沢七郎
出演:
緒形拳(@辰平)
坂本スミ子(@おりん)
あき竹城(@玉やん)
左とん平(@利助)

****** 6月24日追記 ******

さっき、kanikani4さんのブログで、楢山節の歌詞を教えてもらい
さらにご紹介いただいた松岡正剛の千夜千冊 の存在を知り、早速訪問したところ
楢山節の楽譜がフラメンコ風だという、非常に興味深い記事を発見。
是非、ご訪問されたし!!!!!

takamaien_n at 16:05│Comments(17)TrackBack(2) シネマ茶寮 

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1. 「楢山節考」を観た。  [ お伽草子 ]   June 22, 2006 07:31
テレビでの今村昌平監督追悼上映を心待ちにしていた。やっと昨夜のBSで「楢山節考」
2. CINEMA●STARR「楢山節考」  [ しっかりエンターテイメント! ]   June 29, 2006 12:20
監督 今村昌平 出演 緒方拳、坂本スミ子、他  楢山節考  70歳になった老人は口減らしのために、山に捨てなければならない。村の掟で分かれる親子の話を中心に、自然と暮らすという厳しさが伝わってくる。      現代社会の贅沢さが伝わり、様々な問題を考えて...

この記事へのコメント

1. Posted by のね   June 21, 2006 16:34
5 はじめまして!
コメントありがとうございます。ただ申し訳ない。トラックバックは拒否の設定にしておるのですm(__)m

そのかわり(もどのかわりもないが)Link設定をさせてもらってもかまわないでしょうか?
2. Posted by inablog   June 21, 2006 22:39
コメント有難うございました
3. Posted by shiro_taka   June 21, 2006 23:06
■のねさん、ようこそ。

TB設定はずしていらっしゃったのですね。気づかなくてスミマセン。

リンクして頂けるなんてありがたいことです。
これからもよろしくお願いします。
4. Posted by shiro_taka   June 21, 2006 23:06
■inablogさん、こんばんは。

こちらこそご訪問ありがとうございました。
5. Posted by inablog   June 21, 2006 23:12
なお恥ずかしながら
TBのやり方を知りませんので
私の方からはしておりません…
どうか御了承下さいませ…
恐縮です…
6. Posted by shiro_taka   June 21, 2006 23:25
■inablogさん、いやいや、いいんです。
こうして来てくださっただけで・・・感謝!

でも、もし、よかったら・・・
URLのところだけinablogさんのアドレスを残しておいてくださると嬉しいです。
7. Posted by ruru   June 21, 2006 23:50
はじめまして。楢山節考の画像修正を仕事でしました。上田市野倉のパニという喫茶店の奥あたりで撮影しているはずですよ。
8. Posted by shiro_taka   June 22, 2006 00:12
■ruruさん、ようこそ。

上田市野倉といえば、別所温泉ですね。

そういえば、映画のクレジットにも撮影協力に上田市ってありましたもんね。
どこかなーと思ってました。

鹿教湯から別所、青木に抜けるあたりをバイクでいつも走って遊んでいた
同居人に言わせると、ほんとにあのあたりは上田市・・・とは名ばかりで
まさに“まんが日本昔ばなし”のような場所だとのこと。

パニさんにも行ってみたいです。

あ、ってことはruruさんの会社の名前もクレジットに載っていたってことですね!

9. Posted by hana   June 22, 2006 07:45
おはようございます。
「誇り高く生きる」ことの拠り所は、お金や環境ではなく人の本質にあるものなのですね。
ただ、本質とはいえ天性のもののみではなく獲得できるものでもあると思います。
年齢を重ねるごとに「誇り高く生きる」ことに少しずつでも近づき、そして最後は心安らかに死を迎える、そうありたいものです。

極貧の山あいの村をリアルに描いていながら、美しさを感じる映画でしたね。
10. Posted by shiro_taka   June 22, 2006 23:56
■hanaさん、ようこそ。

極貧の寒村と肉体が描かれたこの作品にこれほどまでに『美』を感じさせるとは・・・
今更ながらに今村監督の偉大さを思います。
11. Posted by inablog   June 23, 2006 01:38
たびたび失礼致します
仰せの通りに僭越ながら
inablogのURLを残しておきます
では…
12. Posted by ruru   June 23, 2006 22:30
画像修正はDVDにする際の修正ですので残念ながらクレジットには載らないんですね。でも仕事で何回も何回も見れました〜心にずしんと入って年齢を重ねるごとに考えるのかもしれませんね。 

パニさんのパフパフバナナお勧めです。
13. Posted by shiro_taka   June 24, 2006 01:21
■inablogさん、こんばんは。

ありがとうございます!
これで、またそちらへもお邪魔しやすくなりました。

これからも機会がありましたらお立ち寄りくださいませ♪
14. Posted by shiro_taka   June 24, 2006 02:05
■ruruさん、そうなんですね。

世の中には、ほのとにいろんなお仕事があるんだなーと実感・・・すみません、世間知らずなもので。

パフパフバナナ、かなり気になります。このネーミングだけで、ノックアウト気味?
近いうちにパニ訪問をプランニングしようと思います。

情報ありがとうございます!!
15. Posted by shiro_taka   June 24, 2006 02:47
■この記事をお読みくださっている皆々様。

興味深いブログを発見しました(いや、教えていただきました)
詳しくは記事中の追記箇所をご覧くださいませ。
16. Posted by exp#21   June 29, 2006 12:10
とても考えさせられる映画でした。村の掟というのが何よりも最優先される社会ってのが、生きていくうえで必要な事として、強く描かれるのが、自然と生きる厳しさみたいなのが強く伝わってきました。
あき竹城との濡れ場も凄かったですね〜。
17. Posted by shiro_taka   June 29, 2006 14:39
■exp#21さん、はじめまして。

その村に暮らす者ならば、必ず守らなければいけない村の掟。
そしてそれを守るための村八分。
その社会に帰属すると言うことの責任と義務。

現代社会、そんなものは薄っぺらすぎて
いつしか気化してしまいそうなくらいです。
いつの間に、社会はこんなにも希薄になってしまったのでしょうね。

凄い濡れ場?そうでしたか???
凄かったのは、あき竹城の、若くて浅黒くてオイルでも塗ったかのような
つやつやしたハリのある肌かな〜。

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