March 01, 2007

みちのくふたり旅 その6

銀山温泉の旅館藤屋さんは、その異彩を放つ外観と、青い目の女将ジニーさん
(数年前の公共広告機構のCMの
「ニッポン人には、日本が足りない。」っていうコピーで有名になった人)が、とにかくキャッチーなので
能登屋さんと並んで注目を集めるところだけど-----
お料理の美しさ、美味しさは、まだあまり取り上げられていないみたいだった。どうしてだろう。

【一献】はジニーさんお手製の甘いブルーベリーの食前酒。

乾杯の後は、これまた、ジニーさんの故郷の近くナパバレーのワインで、夕食が始まった。
藤屋のごはん1

繊細なグラス。
旅館中にオーダーメイドがいっぱいなんだ!とスタッフの方がおっしゃっていたけど
このグラスもそうかしら。軽くて、すっぽり掌になじんで、ナントもお酒がすすむのだ。

藤屋のごはん2

春近し 如月献立---と板長の筆文字で綴られた献立書に 【羽前の旬彩】 とある。
養老赤海鼠 蛸菜種漬 真つぶ磯貝 合鴨ロース煮・・・ 春を感じますね。

藤屋のごはん3藤屋のごはん4
そして【吸物】潮ちり仕立 寒鯛

北大路魯山人がデザインしたといわれる「金銀日月椀」・・・素晴らしかった。

黒地に金と銀の円を交互に配置した、一見、単純そうに見えるこのデザインだけど
計算しつくされた美しさが、そこにはあると思う。魯山人というお方は、やはり天才だのだわ。
こんな器でお吸物がいただけるだけでも、ここに泊まった価値があったというものデス。
寒鯛もほろほろっと柔らかく、柚子の香りで、ふくよかさ倍増!

藤屋のごはん9
そして【割鮮】

黒曹以(クロソイ)
これはどちらかというと釣り人の魚・・・つまり、あまり市場には出回らない魚だと聞きました。
北海つぶ貝に帆立に、なんと言っても珍しかったのは、サエズリ=鯨の舌。
私は初体験だった。
脂がのって口の中で蕩けそうというか、まったり!!な食感。独特なのね。
完全にこれは酒の肴。辛口のシャンパンとかどうかしらねー、合いそうな気がする。

藤屋のごはん5藤屋のごはん6藤屋のごはん7

このあたりから、私、酔っ払ってます。もう写真がテキトーだもの(笑)

【鉢物】寒ブリ大根
   ・・・板前さんの“仕事してる”出汁がたまらないっ。こんなに美味しいブリ大根は初めてです。
【焼物】松島産の牡蠣伝宝焼
   ・・・これもグッドアイディア。さっそく自宅でも試してみたけど
   <牡蠣と葱と甘味噌とチーズ> 合うぅ〜。この組み合わせ驚き。クセになりそう。
【蒸し物】雲子豆乳蒸
   ・・・雲子がこれでもかっていうくらい入っていて、食べきれないほど。餡も最高だったなー。

そして【強肴】
チョイスメニューだったので、私はズワイ蟹に、KUROは尾花沢牛に。
すっかり写真は忘れてます(汗)

これから【御飯】と【水菓子】かー、もうお腹いっぱいでこれ以上無理!!
もう、別腹もないよーと思っていたら・・・
「御飯と水菓子はお部屋の方へご用意させていただきます。
お風呂でもゆっくり入られて、宜しければお夜食としてお召し上がりください」だって。 嬉!
藤屋のごはん8

お風呂のハシゴをして、エネルギー消費をタップリ?して、もちろんしっかり頂きました!
お風呂上りのフルーツの美味しいこと♪

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そして翌日の朝ごはん。朝からやっぱり 幸せ が、てんこ盛りなのだ!
まず、この黒い土鍋で炊かれたご飯に、期待がますます膨らみ、おこげも香ばしく。
藤屋のごはん10

生ハムのサラダに、豆乳豆腐に、焼鮭に、納豆とあおさ海苔を混ぜたのに、出汁巻き卵に、お新香に
・・・後はなんだっけ?
藤屋のごはん11

他にも2、3品あったはずだけど、記憶が曖昧になってしまった。ダメね。

藤屋のごはん12

とにかく食器も素晴らしくて、目にも舌にも楽しい大絶賛のお料理の数々だった。
板長にお目にかかれなかったのが、唯一の心残りかな。

藤屋1藤屋2

最後に写真をもう2枚。私が藤屋の中で、好きになった場所というか、風景。

右は、2階の窓辺のイス。ちょっとしたライブラリーコーナーになっていて
日差しが差し込みポカポカしそう。時間があったら、ここで微睡みたいところだ。

左は地下にあるお風呂からあがってくる階段から天井を見上げたところ。 この採光!
これからの日本の家づくり(特にお風呂のあり方)に、影響力があるように思うのは私だけ?
「バス空間は、究極の超私的リビング」だって、先月読んだある月間誌で特集されてたな・・・。

こんな風に、昼と夜で全く表情を変える---それが「旅館藤屋」のいちばんの魅力なのかも。

正直言って、私たちが「藤屋」に泊まるなんて、どう考えても“分不相応”だったかもしれない。
確かに“高いお買い物”だったけれど、でも、いろいろインスパイアされたかったのだ。
いい経験させてもらえたな・・・と思う。意味のある授業料払ったつもりで、またがんばって働こう。
旅ってやっぱいいね。

戻って数日後、女将からお礼のはがきが届いた。猪のシールが貼ってあった。
ありがとう、ジニーさん。

銀山温泉旅館藤屋公式サイト山形県尾花沢市大字銀山新畑443
TEL:0237-28-2141


takamaien_n at 23:58│Comments(0)TrackBack(1) 旅の想ひ出 | 美味しいモノ噺

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