シネマ茶寮

April 12, 2008

映画 「めがね」

めがね(3枚組)

DVDで鑑賞。
たゆたう…そんな日本語を久しぶりに思い出させる不思議な映画でした。

かの「かもめ食堂」のキャストとスタッフが再結成した
無理やりすぎるほどのリラックスムードに満ち溢れた、とてもセリフの少ない映画です。

…が、“スローライフ”を意識し過ぎというか何というか。
田舎暮らしをしている私にとっては、いかにも作り物的に見えてしまいましたけどね(苦笑)

ホケ〜とした、ゆるゆると流れる時間がすごく独特。
ただひたすらに海を眺める=たそがれる…っていうのは
貧乏性のワタクシには、実はすごく難しい芸当なもので「む、無理!そんなのっ!」と思いつつ
でも、実はすごく憧れるわ。『たそがれ名人』には…(笑)

こんな旅が出来る人になりたいという願望はあったりします。多分できないんだけど。



この映画、ストーリーはほとんどありません。
すべては ヨモギくんのドイツ語 の中に、集約されているらしい…。

無神経にもガサツにも見える登場人物たちのキャラ設定が自由の象徴なのでしょう。
フツウ、他人はおふとんの横で寝顔をじーっと見てたりしないし
どんなに癒される空間があっても
いつもいつもお客さんと一緒にご飯を食べるのがルールの宿なんてヤダー。
・・・なので、ワタシ的には、自由自由とか言っても
それがあまり気持ちのいい人間関係には見えないから、ヤダよーって思ってたんだけどね。

でも、それが自由ってコトなのかな〜、自由っていったい何なんだ?なんて思って
???ハテナがいっぱい???になっちゃった。
映画を観ているうちに、ワタシってすごく心が狭いのかもなーと思い始めるような
不思議な影響力を持った映画だったような気がします。

それから、トランクを置き去りにするシーンは印象的。
最初、民宿ハマダに着いたとき、ユージさんに忘れ去られ置き去りにされたトランク。
タエコさんは「もうっ!」と憤慨しながら一生懸命、自分で部屋に運んでいくんだけど
ある日、サクラさんの自転車に乗せてもらう時には、物理的なこととはいえ
トランクを道の真ん中に置き去りに出来る、気持ちの切り替えができたんだよね。
タエコさん。

自分で大事だ、絶対必要だから!と勝手に思いこんで
今までズルズルと引き摺ってきたものが、実は全然大したコトなくて
後生大事にいっぱい抱えて、肩凝ったなーってボヤいている自分がアホに思えてくる。
シンプルに生きるってこういうことなんだよね、って思いました。

数年前、私もヒューマンデザインシステムのリーディングで
おんなじことを指摘されています、私。セコセコしている自分が情けないよ。
「仙骨の声を聞いて、ホントに自分にとって必要なことだけ選びとりなさい。
そうしないと、あー人生って大変!って嘆いて、疲れて死ぬだけよ。」って言われたのよ。私。
あの時はキツイなーって思ったけどね。

この作品には、また同じことを言われたんだわ。精神的デトックス系映画って感じ??

与論島でロケしたんだそう。
 
どうやったらあんな色を出せるのかしら。
与論島の持つ美しさを最大限に、いやたぶんそれ以上に引き出しているように思う。
『かもめ食堂』でも、その色使いに感激したけど、独特のセンスをお持ちですよね。
荻上監督って。

それから、ビミョーな空気感と“間”が、ほんとに独特で、うぷぷ…なんだよね、ホントに。

いちばんビミョーなのは、何といっても「メルシー体操」かな。意外とハードかもね…あの体操。

大貫妙子さんの歌でユルユル感はさらにアップ!!
音楽もアコースティックが効果的に使われていました。BGMによさそうです♪

めがね2

食事のシーンがとても多いです。『かもめ食堂』の時もそう思ったけど
地道にひとつひとつ、すごく細かいディテールにこだわったスタイリングは相変わらずです。

食器(雑貨類)の使い方にも、食材の選び方にも“愛”を感じるなー。
野菜も魚も新鮮でナカナカ美味しそう。綺麗すぎるキライは、ちょっとあるけどね。

あと、梅干しの入っていた枡のような食器が可愛かったなー。
縁のところに何か付いていたよね?何だかよくわからなかったけど、可愛かった♪
フードコーディネーターさんのセンス、好きです。

めがね1

そして、ストーリーとは絡みのない、あまり意味のないと思えるタイトル『めがね』
この意味のなさ…がきっとこの映画のテーマなのでしょうね。

似合うよね。小林聡美のこの「めがね顔」
この微妙に晴れやかに見える、私もここの一員よ〜的な、少し誇らしげに見える
“笑いすぎない笑顔”が、小林さんの実力を感じさせて、好きなシーンです。

でもね、この映画のセールスプロモーションはちょっとキライ。
この作品が、荻上監督の本当につくりたかった作品であることを心から願います。

映画めがね
公式サイト

2007年/日本
[監督]荻上直子
[出演]
小林聡美@タエコ
市川実日子@ハルナ
加瀬亮@ヨモギ
光石研@ユージ
もたいまさこ@サクラ
薬師丸ひろ子@森下(めがねの友だち)


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March 29, 2008

映画 「プロヴァンスの贈りもの」

プロヴァンスの贈りもの


2週間ほど前に、DVDで鑑賞。
展開もわかりやすく、結末も最初からだいたい見えてるので
ラクに、ゆるゆるホワーンと観れるいわゆる“和み系”の映画。

原作はピーター・メイル。
彼の作品に一時期(15年前くらいですか?)ハマったいう人も多いのでは?と思いますが
御多分に洩れず我が家もその口。
でも、本はすいぶん前に BOOK OFF に売却してしまったらしく見つからず…。

リドリー・スコット監督ととラッセル・クロウ…あの『グラディエーター』コンビの作品とは思えない
風光明媚な光に満ち溢れたプロヴァンスが舞台の軽いタッチのラブ・ストーリー。
というかコメディタッチのスローライフムービーって感じかな?
イギリスvsフランス対決!!なお茶目さも、随所に見られて意外と楽しい。
特に 【フレッド・ペリーvsラコステの?熾烈な闘い】 は、見ごたえ十分!!

んで、「エイリアン」や「ハンニバル」のリドリー・スコットが、なんでまた
“ワイン映画”なんかを撮られたのかと思ってたら
彼もプロヴァンスにぶどう畑を所有しているんだそうで。
ピーター・メイルと一緒に、僕たちの(!)映画をつくっちゃおうゼ。っていう感じなのかしら。
ふたりは30年来のお友達なんだって。

さてストーリーは。

ロンドンで腕利きの金融トレーダーに成長し、優雅なシングルライフを楽しんでいる
マックス(ラッセル・クロウ)のもとに届いた一通の手紙。
---それはマックスの人生の師でもあり、いちばん心を許していた大切な友でもあった
ヘンリーおじさん(アルバート・フィニー) の訃報。
子供時代に、毎年のバカンスをプロヴァンスにあるヘンリーおじさんのブドウ園で
過ごしていたマックスにとって
そこは今の彼を生み出した場所でもあり、アイデンティティを見つける場所でもあったのかも。
マックスおじさんが彼に残したかったものは、古びたシャトー“そのもの”ではなくて・・・「
「人生はハーモニーとバランスだ」というヘンリーおじさんのこの台詞そのものだったんじゃないかな。

プロヴァンスの贈りもの



見どころは、そのプロヴァンスの美しさはもちろんなんだけど、
主人公マックスの少年時代を演るフレディ・ハイモアくん(「チャーリーとチョコレート工場」はもちろん
でも彼は何といっても「ネバーランド」が最高!)の、完璧なお芝居と
ぶどう園で働く家族が何とも言えないいい味出してる。デュフロ夫妻とおじいちゃん、最高!!
それから、地元のレストランオーナー・ファニーを演じるマリオン・コティヤールの脚線美も必見。

あとは、音楽のセンスのよさかなぁ。
この映画の音楽担当は、ドイツ人のマーク・シュトレイテンフェルドって方。
グラディエイターやラスト・サムライなんかでも実績のある人らしい。
オリジナル・スコアも、とっても綺麗なんだけど、
プロヴァンスで過ごした少年時代をフラッシュバックさせるのに使われている
アナログ音源の音楽の選び方が素敵です。ほんと。

この映画の紹介のどこかに「人生には休暇が必要。でも、もっと必要なのは恋とワイン!」
---とありました。
忙しい方はぜひ観てね。そしてプロヴァンスへいらっしゃ〜い!っていう映画なんですね。
そして、かなりの確率でワインが飲みたくなるはずよ。

こんなにオシャレに…はいかないけど
我が家の目指すライフスタイルの方向性を、示してくれていた映画でもあります。
プロヴァンスも行きたい旅先のひとつ。でも、差し当たり私はとりあえず サントラで 我慢かな。

サントラはね、ラッセル・クロウが“くわえ葉巻”でゴキゲンなシーンでかけていたレコードが
ウエディングマーチ(メンデルスゾーンの)をフューチャーしたサンバでね
なんか素敵だったのよ。仕事で使いたいなーと思ってね。
マダム・デュフロが、ノリノリで踊ってるシーンの曲よー。
結婚式の『乾杯!』の後の曲にバッチリじゃないかしら?
そしてそのままこのサントラを歓談中にかけて…っと。
ウンウン、なかなか和やかなパーティシーンが想像されまする。
なので!サントラ早速買っちゃった。

プロヴァンスの贈りもの


ブログ書きながらかけてましたが、よいよナカナカv

相方のKUROは、エンドロールの「ビキニスタイルのお嬢さん」に反応してました。
日本でもたくさんの方がカバーしている名曲だけど
これは、カイロ出身のシンガーがフランス語で歌っているのよ。すごくキュート♪

そして公式サイトにも美しい「オンブラ・マイ・フ」が流れています。
映画 プロヴァンスの贈りもの
公式サイトなのよね?フランス政府観光局のサイトの中に組み込まれているの…

「アメリカン・ギャングスター」も「エディット・ピアフ 愛の讃歌」も
早速観なくちゃですわね♪

2006年/アメリカ
[監督]リドリー・スコット
[原作]ピーター・メイル
[出演]
ラッセル・クロウ@マックス
アルバート・フィニー@ヘンリーおじさん
フレディ・ハイモア@子供時代のマックス
マリオン・コティヤール@ファニー
アビー・コーニッシュ@クリスティ
ディディエ・ブルドン@農夫デュフロ
イザベル・カンディエ@ヂュフロ夫人


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January 20, 2008

映画「善き人のためのソナタ」

善き人のためのソナタ スタンダード・エディション


久しぶりにドイツ映画をDVDで鑑賞。哀しいけれど、崇高な物語です。

ソナタをはじめとする音楽の美しさも秀逸。
静かに、でもジワジワと胸に迫りくる雰囲気を持った作品だと思う。
…というか“見せる?魅せる?力”が溢れている作品なんだな。
2007年のアカデミー外国語映画賞受賞も十分うなずける秀品。

最近、ヒトラーとか今まで取り扱うことそのものがタブー視されてきたようなテーマの
ドイツ史映画が増えてきたような気がしませんか。

そういえば、今年になって私が初めて観たDVDも
ドイツ映画:「ドレスデン、運命の日」(第二次世界大戦のドレスデン爆撃のハナシ)だったわ。


さて「善き人…」の舞台は、1984年、東西の壁が崩壊する数年前の東ベルリン。
共産主義体制のもとで、冷酷なシュタージ(国家保安省)が、国民を監視しているという歪んだ世界。

血の通っていないかのような表情のない顔で
背筋も腕もピンと伸ばしきって、隙と無駄のない男、ヴィースラー。
質素な服装に質素な食事、無駄の削ぎ落とされたミニマムな世界に生きている、そのシュタージが
ある芸術家を監視する日々を通して、血の通った人間に徐々にと変化をし
やがて愛に目覚め、静かな涙を流す。
盗聴器から聴こえてきたのは
自由な発想と愛の言葉、そしてもの哀しいピアノソナタだった…というハナシ。

このヴィースラーを演じるウルリッヒ・ミューエの静かな演技が本当に素晴らしい。
盗聴をしている訳だから、彼が言葉を発することはほとんどない。
国家に忠実な大尉というキャラクター的にも
表情がくるくる変わるわけでもないし、オーバーアクションな訳でもないという中で
瞳の動きや、ちょっとしたしぐさ
暗がりの中で上官への報告書を作成するタイプライターの打ち方や、その言葉の選び方なんかで
彼の心情の移り変わりが、本当に見事に、そしてとても丁寧に表現されている。

またラストの展開の仕方も特に素晴らしいと思う。
涙がつつつつつと流れ、静かに余韻を残す映画なのです。

ソナタの美しさも然ることながら、パブやホームパーティで使っている
BGMなどのセレクトもすごく良かったなー。

それから、私が特に好きなシーンは
ヴィースラーがサッカーボールを追いかけて来た子供と一緒にエレベーターに乗り合わせるシーン。
あの金髪の男の子の、グリーンのグラデーションでまとめてある洋服と靴のコーディネートが
いかにもヨーロッパ映画なセンスを感じさせて好き。


静かに家でゆっくりしたい時に、雨の日なんかにいいかな・・・と思える映画です。


善き人のためのソナタ 公式サイト


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August 17, 2007

映画 デジャヴ

DVD デジャヴ

DVDで鑑賞。久しぶりに映画評です。
あー、映画だなーと思える映画。タイムリミットがあるから、ドキドキ感がたまらないし
何よりセンスがいい。ハリウッドの敏腕スタッフの力が終結!ってカンジです。
素直に楽しめた作品だった。

春ごろに映画館によく行っていた時期やDVDでもいやというほど予告編を見せられていて
実は「しつこいよ〜」と思っていたの。でも思っていたような映画と違った。

誰にでも起こる「デジャヴ」という現象を取り上げたサスペンス&アクションムービー。
いやSFか?

[ デジャヴが錯覚ではなく、過去からの警告だとしたら…。過去を救え! ]
っていうコピーで、ハリウッドのヒットメーカー
『パイレーツ・オブ・カリビアン』とかね・・・のジェリー・ブラッカイマーが
プロデュースした映画。テクニックがやっぱり光放たれていました。
さすがって思ったのは、時空を越えたカーチェイスのシーン。
片目ずつで過去と現在が同時進行!!!

でも、いちばんの見どころは、デジャヴをテーマにしたところなのかもね。
その着眼点というか、チャレンジ精神というか。

あ、デンゼル・ワシントンの体育座りもポイント高し!何だかすごく可愛いの。
足が長いと体育座りもああなるよなー。

フェリー爆破事件の捜査に当たるデンゼル・ワシントン演じる主人公が
FBIが開発した「タイム・ウィンドウ」という特殊映像装置を駆使して
その事件が起こる前の時空を追体験しながら、事件を追跡していくというハナシ。
そのスピード感もあいまって娯楽映画として、素直にオモシロイ。
つまりタイムマシーンものだったりするわけで、矛盾は絶対に生まれてしまうよね。
このテのストーリーには。
批評家のみなさんは、このタイムパラドックスの矛盾をどう解決するつもりだ!とか、
この展開はヒドイとか書いている人がたくさんいたけど
いいじゃん、映画なんだからさ。
と、私は手放しで楽しむ能天気なファンです。
デンゼル・ワシントンも安心して観ていられる上手さで、でもどこかキュートだったりして
新人女優さんのポーラも美人だし♪

ハリケーン・カトリーナの被災地のニューオリンズが舞台になっていて
被災後の空撮は、かなり衝撃でした。
最後にお約束のようなメッセージが流れていたけど
住民の気持ちとしてはどうなんだろう・・・と思わないでもない、な。

デジャヴ公式サイト *トレイラーがすぐ始まります
2006年/アメリカ
監督:トニー・スコット
出演:
デンゼル・ワシントン @ダグ・カーリン
ポーラ・パットン @クレア・クチヴァー
ヴァル・キルマー @プライズワーラ
ジム・カヴィーゼル @オースタッド


以下、蛇足。
最近、映画館にちっとも行っていない。
なぜって、私はクーラーにめっぽう弱いので、ダメなのだ・・・冷え冷えの映画館が・・・。
夏はちょっと敬遠しがち。
なので、DVDに頼りがちだったけど
あんまりコレだっていうのに出会ってない気がする。
途中で寝てしまったものも、いくつかあるし、ナニを観たかも
あんまりよく覚えてなかったりもする・・・。
いや、私のせいなのだ、集中力のない私のせい。
ダメだなー、私・・・ほんとに。反省。

では、覚えているもので、メジャー系の感想を少し。備忘録として-----。

「ゲド戦記」公式サイト※すぐ歌が始まります
最近読んだ「さおだけ屋はなぜ潰れないのか」・・・の会計士:山田真哉さんが書いた
ミリオンセラー「食い逃げされてもバイトは雇うな」の本の中で
「ゲド戦記」はプロモーション勝ち。[宮崎吾郎 第一回監督作品]というキャッチコピーの
第一回がミソ!なのだ。数字の使い方がすばらしい。と書いていた。


作品がすばらしいのでなく、宣伝のための数字の使い方がスバラシイというこつ?
前評判がずいぶんと悪かったので、映画館で観る気にはなれずDVDを待っていたけど
DVDでも耐えられず(?)何を伝えたかったのかわからないまま(私がバカなのね)
爆睡する始末。

でも、挿入歌?の雰囲気はいいよね。テルーの声、手蔦 葵ちゃんの声はいい。


「マリーアントワネット」公式サイト
これ、フランス人怒らなかったのかな。
ソフィア・コッポラ監督とアメリカ商業主義の結晶な映画で、
ロックをBGMにして
色彩の洪水の中で、目まぐるしく消費されるドレス、宝石、靴、デザートにシャンパン・・・
ヴェルサイユの、マリーアントワネットの浪費っぷりをこれでもかというくらい
描ききる。
ガーリーテイスト好きな方やサブカルチャー好きな方は、そのオシャレ感は楽しめると思うけど
私はゲップが出そうだった。
だってだってフェルゼン伯爵がカッコ悪いんだもん。子供っぽくなかったか?

「スパイダーマン」シリーズでちょっと有名になったキルステン・ダンストの
プロモーション映画って感じでした。


「ホリディ」公式サイト※すぐトレイラーが再生されます
端正なお顔が好きなジュード・ロウ(A.I.の彼がすごく好き♪)と
SoftbankのCMのまんまな、キュートなキャメロン・ディアス(彼女はアレが地なのかしら?)が
主演なので、観たかった作品だけど
ゆるーい感じでラクに見られる、若い女の子が好きそうなロマンティックコメディ。
ストーリーは単純で、ラストも読めてしまうけど
私は、ジュード・ロウがたっぷり見れたので、それだけで満足よ♪
テーマソングの“We are all alone”も好き。

次に見たいジュード・ロウの出演品は「こわれゆく世界の中で」(公式サイト)
ジュリエット・ビノシュも出ていることだし♪要チェック!だわ。

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June 23, 2007

映画 リトル・ミス・サンシャイン

リトル・ミス・サンシャイン

DVDで鑑賞。
あ゛〜何ヶ月ぶりの映画レビューなんでしょう・・・。
最近、映画館に行く時間がなかなかとれず、行っても寝てしまったりしてました。
その作品名は、ここでは書かないことにしておこっと(笑)

DVDはそれなりに、週1本くらいのペースでは観ているんはずなんだけど
ここに書きたい!と思うような作品に、あまり出会えていませんでした。
たしかこの映画、すっごく評判が良かったのですよね?

最初、B級なニオイのする映画だなーと思ったのだけど、それがたまらない感じで。
俳優さんたちが、みんないいのだ★
あんまりお金のかかってない、こういう映画こそ
アメリカ映画の生き残りの道のような気がしてならないわ、私。

アリゾナに住んでいるフーヴァー家で繰り広げられる「家族」がテーマのロードムービー。
アメリカのロードムービーは、もともと、好きなジャンルです。
超オンボロの黄色いワーゲンのミニバスに乗って、アリゾナからカリフォルニアまで
"押しがけ"を繰り返し、旅をしながら、だんだん家族の絆は深まっていく。

ちょうど最近、一気に読んだ、重松 清さん著「流星ワゴン」も
ドライブをしながら崩壊した家族が再生していく物語だった。
「流星ワゴン」はワインレッドのオデッセイだったし、話の種類は全然違うけど
家族の絆が丁寧に描かれて、再生していくというテーマは一緒だなぁ。
最近「家族」・・・っていうテーマに敏感になっているのかしら?

リトル・ミス・サンシャイン2

赤いファット・スーツに身を包んで
ビューティー・クィーンを夢見る女の子:オリーヴを演じるのは
ポスト"ダコタ・ファニング"・・・って言われているらしいアビゲイル・ブレスリンちゃん。

ミスコンで優勝した時の、イメージトレーニングにも余念のないオリーヴは
アイスクリームが大好きで、顔の半分くらいあるようなネガネをかけた田舎の女の子。
腰をクネらせて、おじいちゃんっ子のファニーキャラなのよー。それだけで高得点よねぇ。
えー、この子が?ミスコン???って感じなんだけど、本人はかなり真剣!!

ヘロイン中毒のおじいちゃんのダンス指導?のもと
日々努力を惜しまなかった彼女に、ある日、カリフォルニアで行われる
“リトル・ミス・サンシャイン”コンテストに参加できるチャンスが廻ってきた。

でも、フーヴァー家には、どうも風が通っていなくて、
家族はみんな胸の中に一物を溜め込んでいるかのようで
みんな、オリーヴちゃんの 《ミスコン参加》 を応援することで
何とかバランスを保っているものの、一発触発なムードが漂っているの。

それが、旅の途中で起こる出来事を、ひとつずつクリアするたびに
今まで淀んでいた空気が少しずつ流れ始める。
まるで珍道中・・・だけど、すごくあったかな笑いに包まれた、愛おしい素敵な映画。
どこかにオフビート感が漂っているのも、この映画が愛される理由かも。

お兄ちゃんドウェーン役のポール・ダノが、私は特に好きだったわV
でも、とにかく名優揃いなこの作品。おすすめです!!

リトル・ミス・サンシャイン・DVD(amazon)
リトル・ミス・サンシャイン公式サイト
*予告編から始まるので音がでますよ♪
*特に、エキサイトしているアビゲイル・ブレスリンちゃんには要注意?!

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April 06, 2007

映画 キンキー・ブーツ

キンキー・ブーツ

DVDで鑑賞。久しぶりに楽しいイギリス映画でした。
ずいぶん前に観ていたのに、レビューを書きそびれてました。

ユーモアとウィットに富んだ、センスのいいコメディタッチのヒューマンドラマ。
くどすぎなくて、これがイギリスらしい笑いなのかな。

そしてね、オープニングがいいのです。美しくて少し切ない。

わかりやすいストーリー展開です。
「工場で大事なのは建物や設備ではなく、そこに働く人間だ」
・・・っていう台詞にも象徴されるように
“人となり”を大切に大切に思うテーマが根底に流れているところ
そして、変な小細工なしで、人間くささを描ききっているところにも好感が持てます。
この映画、イギリスのノーサンプトンという伝統的な靴作りをしてきたいる街で
実際にあった話に基づいた作品だっていうのも、びっくり---というか
何だか嬉しい。

突然の父親の死で、ロンドンのマーケティング会社で働くはずが
田舎の靴工場を相続することになってしまったチャーリー。
チャーリーは、まだ経営者の自覚なんてまるでナシ。
その上、何だか優柔不断で頼りなげ。そこがちょっとキュートだったりもするんだけど
先代の社長が、労働者たちと築いていた信頼関係をなかなか結ぶことが出来ない。
まあそれは仕方ないよね。一朝一夕でなるものではないとは思うし。
その上、フタを開けてみたら、実は工場が倒産寸前?!マジで?!
口をついて出てくるのは「What can I do?」ばかり・・・。

そんなチャーリーを救うのが、美のカリスマ:ローラ。
ロンドンのSOHOのステージに立つ彼女(彼)はとっても美しく華やかで
全身で「私がローラよ!」と主張する、自信に溢れたドラッグクイーン。
でも、女装をしていないといっきに引っ込み思案になっちゃって
あの自信はどこへやら???・・・・・で
同僚の悪口に傷ついて、トイレから出て来れなくなってしまうほどの
繊細なキュートな男の子になっちゃうの。

んでもって、工場長のチャーリーも、なんだかすごくCUTE♪
困った顔とか、嫉妬した顔とか。ほっとけない空気感を醸し出しています。

やがて工場で働くみんなも(これがまたみんな個性豊かでいい役者さんたちなの。
実際にこの工場で働いていたスタッフもたくさん出演しているらしい)
このキュートなふたりをサポートしながら工場を盛り立てていこうとする。
あら、「チャーリーと靴工場」だわ(笑)

その工場が狙うのは
伝統的なローファーやウィングチップみたいなコンサバティブな市場ではなくて
今まで歩んできた路線とは全く違う、かなりのニッチ市場。
主力商品は「ドラッグクイーン御用達ブーツ」
セクシーで、ヒールが丈夫で、彼らのウェイトにも耐えられて
ふくらはぎや太もものサイズにもフィットする
エナメルで超ハイヒールのブーツやパンプス。
つまり「キンキー(変態?)・ブーツ」

それらの、社運をかけた新商品をプレゼンするミラノのショー。見物!よ。
かなりCOOLです!! かなりの確率でショーパブに行きたくなるハズ?!

それにしても、ローラは素敵。
紳士でも淑女でもない、"どちらでもない皆様"には
もともと素敵な人が多いなーとは思うのだけど、素敵すぎるわ!ローラったら。
そのローズを演じている俳優さんが、キウェテル・イジョフォー。
かっこいい!一気にファンになりました♪
まだまだ売り出し中ってかんじの方のようですが、これで一気に株があがったことでしょうね。

彼の好演を観るだけでも、この映画をチェックする価値がありそうです。
迫力のあるドスのきいた歌とダンス
身体が大きいのに、すごく繊細な雰囲気が伝わってくる
とても細かいディティールにもこだわった演技。
特典映像のメイキングを見たら、彼の役者魂を、さらに感じました。
彼が、他に出演した映画は「ラブ・アクチュアリー」とか「メリンダとメリンダ」とか
「インサイド・マン」に「堕天使のパスポート」・・・などなど。
あら、「ラブ・アクチュアリー」しか観てないわ。チェックチェック!

これってイギリス映画らしい、イギリス映画といえるのかしら。
ステキです。“かなり好き”な映画の1本になりました。
サントラも期待できそうっ---ていうよりDVDを買うか。いや両方買うか。

とにかくたくさんの人におすすめしたい映画です。

DVD(amazon)
公式サイト
映画キンキー・ブーツ
2005年/イギリス
監督:ジュリアン・ジャロルド
音楽:エイドリアン・ジョンストン
出演:
ジョエル・エドガートン @チャーリー
キウェテル・イジョフォー @ローラ 
サラ=ジェーン・ポッツ @ローレン
ジェミマ・ルーパー @ニコラ
リンダ・バセット @メル
ニック・フロスト @ドン

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February 23, 2007

映画 ドリーム・ガールズ

DREAMGIRLS01
公開初日にレイトショーで鑑賞。

まさに!これぞエンターテイメント!!!
これは映画館で観たい、まだ・・・という人にはぜひ観て欲しい映画だなーと思いました。
特に30代後半から40代(50代もかな・・・)の人がより楽しめる映画かなと。
モータウンが好きな人も是非です!!

歌が大好きで大好きでちっちゃな頃から歌い続けてきた仲良しこよしのコーラストリオが
ドリーメッツ=“夢と出会う”という名前で
将来を夢見て目をキラキラさせて、お尻をフリフリさせて
栄光を掴んで、挫折し、苦悩し、また立ち上がるまでの物語。

1981年の開演から25年。
マイケル・ベネットの演出で、熱狂的なブームとなった伝説のブロードウェイミュージカルの
映画化で、あの、シュープリームスとダイアナ・ロスの実話に基づいたお話。
シュープリームス好きには、ほんとにたまらないのでしょうね。

私はそこまでのファンではありませんが、モータウンは大好きだし
60年から70年代にかけての“アメリカの音楽”の変貌を垣間見ることも出来て
すごく楽しい。音楽好きにはかなり刺激的な映画だと思うし
田舎に住んでいてコンサートやエンタメな世界に全くもって縁遠くなっている私には
映画とコンサートを一度に体験できる“オイシイ”映画だったなーなんて。

あと、ミュージカルが苦手な人もわりと入りやすいのかも、です。
ほんとに前評判どおりの嬉しい出来上がりの作品でした。

見どころは、華麗なステージ衣装とどんどん綺麗になっていく3人娘のメイク。
テンポよくカッコよく、メイクアップも、スタイリングも、照明も、カメラワークも、音楽も
一流のアーティストの技が結集!!これでもかってくらい魅せてくれます。
見応え、聴き応え十分です。

キャスティングもよかった。
800人近い応募者の中から審査員の満場一致(だったっけ?)でエフィ役を勝ち取った
ジェニファー・ハドソンのあのゾクゾクするようなパワフルでソウルフルな歌に
完全ノックアウトされました。とにかくすごい!上手すぎです!
(---こんな陳腐な言葉しか出てこない自分が情けないけど)
これでもかっ!っていうくらい、あれだけ上手い歌を長いコーラスで聴かせてくれて
満足感たっぷりなんだけど、
さすがに And I Am Telling You I'm Not Going のところはお腹いっぱいになっちゃった。
あそこはしつこかったかなー。
ジェニファーのあの搾り出すような歌声にスタッフも呑み込まれて
思わず途中でカットできなかったのかなーと思うくらいのボリューム感で
観ている方も、あそこでかなりエネルギーを消費してまったような・・・。
男も思わず逃げていく?!

ジェニファーってどんな子?と気になる方は ジェニファーの公式サイト をどうぞご覧になって!
すっごくチャーミングな子なの。25才だって。これから楽しみだね〜。
ゴールデングローブの助演女優賞を受賞してて、アカデミー賞助演女優賞は最有力候補だもんね。
納得---全く文句ありません。

DREAMGIRLS02

でもこの映画、一応主役はビヨンセなのよね?
ディスティニー・チャイルドのビヨンセ・ノウルズとしては
私はそんなにいいな♪と思ったことはなかったけど
オースティン・パワーズのフォキシー・クレオパトラ役はステキだった。
でも、このドリームガールズの彼女は一味も二味もうま味が増して艶っぽい。
オンナの私もヨダレをたらしそうだよ。

現代で、こんなにカッコよくて女優としても歌手としてもバッチリ両立できて
こんなに華があって美しい人を私は他に知らない。
彼女がスタジオで「Listen」を熱唱するシーンでは
思わずスクリーンの中に引っ張り込まれそうになった。

ジェイミー・フォックスは・・・うーん、私はなぜかニガテなのでノーコメント。

DREAMGIRLS03

それから驚いたのが、エディ・マーフィー。
ただのコメディ俳優なのかと思ってました。すみません。
実力のある俳優さんだとは思っていたけれど、あんなに歌が上手いって知らなかったから
吹き替えなんじゃないの?って思っていたら・・・違うのね。ビックリ!
新境地が開けたって感じ?素直にカッコよかったわ♪
変わっていく時代と、差別の渦巻くアメリカ社会と
裏のまた裏の“かけひき”の世界のショービズ界に翻弄されるスターの苦悩を
すごくリアルに演じていたと思う。

ドリームガールズ

また買いたいサントラが増えてしまいました。
私はデラックス・エディションの方にしてみようと思います。
ドリームガールズ:デラックス・エディション/DVD付(アマゾン)

やっぱり視聴ができるのはこっち!(アメリカの方)amazon.com
でも、「ムーブ♪」は聴けません。あら残念。可愛いのにね。

映画ドリームガールズ公式サイト
2006年/アメリカ
監督&脚本:ビル・コンドン
主演:
ビヨンセ・ノウルズ @ディーナ・ジョーンズ
ジェイミー・フォックス @カーティス・テイラー
エディー・マーフィ @ジェームス・“サンダー”・アーリー
ジェニファー・ハドソン @エフィー・ホワイト
アニカ・ノニ・ローズ@ローレル・ロビンソン

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February 21, 2007

映画 幸せのちから

幸せのちから

遅くなりましたが・・・。久しぶりに家に居た休みだったので、前に観たこの映画の感想など。

がんばれお父ちゃん!!と叫びたくなるような、地味だけど、静かな感動を呼ぶ良品でした。
「クレイマー・クレイマー」を思い出しました。

いちばん注目だったのはウィル・スミスの実の息子が子役デビューして
本物の親子でのキャスティングとなったことだろうな〜。

ホームレスから一気に億万長者へ・・・でも単なるアメリカンドリームを描いた
サクセスストーリーっていう話じゃない。
実在の人物、クリス・ガードナー。
ちょっと儲けようかなーなんて手を出してみた?…大枚をはたいて買い取った骨密度を測る機器が
予想に反してちっとも売れず、夫婦仲もうまくいかず、ついには税金も家賃も滞納。
妻には家を出て行かれ、人生に挫折しかけていたクリス。
そんな人生のどん底から、這い上がり、証券会社の正社員になるための養成コースを受講し
やがては人も羨む超一流の証券マンになるまでの日々を描いているんだけど
その人生でいちばん辛い時期を最愛の息子と励ましあい一緒に切り抜けた
親子の絆、父子愛がこの映画をとても美しいドラマに仕立てている。

ボロボロ泣くような映画じゃない。でもホロリと涙がひとすじ…系の“感じる”映画です。

いちばん涙を誘われたのは「ボクのせいでママは出ていっちゃたの?」っていう
クリストファーくんの台詞。
あ゛ーーー違うんだよー、身勝手なママと計画性のないパパが悪いんだよー。
ごめんねー。大人が悪い。子供はみんな悪くない!---って、心の中で彼に謝ってました、私。

でも、あの妻はなんなんだー。自分しか、今しか見えていなかったの?
だってあの、骨密度測定器を大量購入した時の踊り出さんばかりに子供のように
喜んでいたじゃない!
夫婦ってそんなに薄っぺらいもんなの?もっと広い心を持てなかったのかしら?
現実にはあんなに冷たい人ではなかったと信じたい。
それとも脚本のせい?ほんとはもっと彼女の想いはあったのでしょうか・・・。

クリストファーくん!
アフロなヘアースタイルに、あの笑顔が可愛くて可愛くて♪
パパに甘えるシーンなんかは演技じゃなくて、地でいってるところなのかもしれないけど
今後に期待の持てそうなすっごくキュートな男の子ですね。
この映画では、もしかしてパパを食っちゃってるかも?!

そうは言ってもウィル・スミスの熱演も良いのですよ。
地下鉄の駅のベンチで俯いている横顔がすごく切なかった。
20人の中から正式採用の1人に選ばれて
「明日もいいシャツで・・・」って言われた時の、嬉しさを隠し切れない
内側から湧き出る感情を表すところなんかも上手いなーと思う。

ちょっと気になったこと。
面接の時なんかのクリスの自己アピール力って、すごいよね。
あれだけ自分を語れる“セールス力”がある人なのに、何故にあの測定器は売れなかったのか?
器具そのものに問題があったのかしらね・・・。
いやいや、人は変わるのだわ。心持ち次第なのだわ、何事も!

でも、すごくアメリカ的なお話ね。

映画 幸せのちから公式サイト
2006年/アメリカ
監督:ガブリエレ・ムッチーノ(イタリア人)
出演:
ウィル・スミス
ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス
タンディ・ニュートン
ブライアン・ホウ
ジェームズ・カレン
カート・フラー

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January 30, 2007

映画 どろろ

どろろ

公開初日、レイトショーにて。

手塚治虫先生は好きだ。原作の「どろろ」も読んだ。でも初日に観に行くほどのファンではない。
KUROがどうしても「どろろ」がいいと駄々をこねるからしょーがなく・・・
あ゛〜、やっぱりDVDで十分だったよ〜。
だから「幸せのちから」にしようっていったのにぃ(苦笑)

実写版は無理と言われていた手塚ワールドを
現代のVFX技術がついに「どろろ」映画化をもたらした!ってことで
ここのところのプロモーション合戦はすごかったよねー。さすが電通。
この映画で、何にいちばんお金がかかってるって-----宣伝なんじゃ?!
ええ---誘惑されてみましたよ、我が家も。思惑どおりに。

<怪奇時代劇ファンタジー>なんていう日本か中国でしかつくれないような
ジャンルだっていうのは面白いところだし、VFXはまあがんばったと思う。
柴崎コウもすっごくいい演技だったと思うし、
ブッキーもワイヤーアクションがんばりましたね♪可愛いし好きだよ!と思う。
(妻夫木くんの横顔アップ。キリリ!のシーンがやたらとあったね。ファンサービス?!)

まず、中井貴一が醍醐景光というキャスティングが好きになれず
(線が細すぎるというか綺麗すぎるというか)地獄堂での一幕の“凄み”のなさに
オープニングから興ざめてしまった。
最期の魔物にとり憑かれるシーンはとっても良かったんだけどね。

ニュージーランドロケでしたっけ?スケール感はあるのかもしれないけど
「ラストサムライ」的な違和感を感じ得ず。
時代設定は原作では室町時代だったと思うけど、映画ではいつなんだろう?
ワイヤーアクションが結構あるから近未来的でもある。
醍醐のお城は、煙がモクモクと出て「ハウル------」みたいだし(驚)
それに多国籍、いや無国籍。

途中、琵琶法師の情けなさと俗っぽさが目に付きすぎたのと
シーン展開のテンポが悪くて、中途半端な“間”があったのと
無理やりな音楽が、すごくチープに感じてしまった。
(私にとって、音楽は映画の中でかなりのウェイトを占めているらしい)

映画館の中は、20代前半のカップル(彼女が妻夫木くんのファン?)なんかと
手塚ファン系の男組?などでかなりうるさかったことも
私のテンションを下げてしまったのかもしれない。
私といえば、劇場内が少しシラけ始めたのを感じるほど、映画に集中できず
ため息をつきつつ「でもこれからもしかしたら面白くなるかもしれないじゃん?!」
---と、自分に言い聞かせて、負けが確定してしまった試合のスポーツ観戦のごとく
がんばれがんばれ!心で唱えながらと観ていました。
久しぶりにエンドロールが始まったら、退出してしまった映画だったなー。
何か可哀想な気分になってしまって、いたたまれないような気持ちで。

さすが原田芳雄さんと原田美枝子さんはキャリアを感じ、素敵でしたが
妖怪ファンには消化不良だと思うし
まあ、これはアイドル好きの方が観に行く<アクション娯楽映画>なんじゃないか?
と思いました。
でも選択をしたのは私だ。私が悪い。TBSは悪くない。

でも、「どろろ」は「ブラックジャック」に繋がるんだね。
“百鬼丸”は“ピノコ”のプロトタイプだったんだね。
やばいっ。「ブラックジャック」読みたくなってきちゃったぞ。

◇あらすじ◇
武士の醍醐景光が天下が取りたい一心で
その代償にこれから生まれ来る自分の子の48箇所を魔神にくれてやると約束をする。
やがて、その生まれたての、身体の48箇所がない異形の赤ちゃんは川に流されてしまう。
ヒルコのように・・・。
川下で医者に拾われたその赤ちゃんは
百鬼丸と名乗り、自分の身体の48パーツを取り戻す旅に出て、
途中で、天下のこそ泥の、どろろに出会う。
魔者を倒すごとに、奪われた48箇所の身体のパーツがすごい痛みを伴って
1つずつ復活していく。

映画どろろ公式サイト
☆ただしアクセスするのは、通信回線の早い人だけにした方が無難かも
2007年/日本
TBS
監督:塩田 明彦
プロデューサー:平野 隆
主演:
妻夫木 聡  @百鬼丸
柴崎 コウ  @どろろ
中井 貴一  @醍醐景光
原田 美枝子 @百合
原田 芳雄  @寿海
土屋アンナ  @鯖目の奥方

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January 24, 2007

映画 ディパーテッド

ディパーテッド サントラ

昨夜、レイトショーで鑑賞。
若いカップル数組と女の子ひとり・・・という子が何人か。ディカプリオのファンなのかな?
彼の主演映画、久しぶりといえば久しぶりだけど。
こういうクライム・ムービーをひとりで観に来る女の子もいるんだなーなんて、思った。
相変わらず、夜の[アムシネマ]は足元が寒い。仕方ないね、冷え性の私が悪い・・・。

今回もサントラが,なかなかよございました。
シーンと音楽の絡み方が自然というか、音楽がふんだんに使われていて楽しかった。
上の写真は サントラジャケット でございます。
音楽はかなり好き。・・・っていうか、深いと思うよ結構。
ずーっと音楽が流れてたから「うるさいんだよっ」と思った人も多いでしょうが
私はかなりシビれましてん♪
ローリング・ストーンズとかビーチ・ボーイズなんかのロック系も良かったし
イタリア歌劇あり、ドヴォルザークあり、タンゴあり、カントリーあり、ジョン・レノンあり。
卒業式や墓地の葬送のバグパイプはもちろん
コステロ(J・ニコルソン)がアイリッシュ系マフィアだから
アイルランド民謡とかも出てくる。携帯の着メロとか!
ディカプリオが出てくるシーンで流れてた
パンクロックとアイリッシュの伝統音楽が混じったような曲が
なかなかカッコいい感じだったので、もっとじっくり聴いてみたい。
サントラは<買い>だな!!!

でも、なぜか今日一日
『ゴッドファーザー』のテーマ曲が私の頭から離れません。何故なんだ?!
やっぱり偉大な映画っつうコトだな。マフィア・・・で連想させられたんだもんな、きっと。

さて、この映画。
予告で観て、久しぶりにマフィアでサスペンスなコノ手の映画をみたいと思ったし
ゴールデングローブの最優秀監督賞をマーティン・スコセッシ監督が手にしたし!
---ということで観に行ってみました。
確かアカデミー賞にもノミネートされているよね?

マフィアに潜入した警察の男 VS 警察に潜入したマフィアの男
マサチューセッツ州警とマフィアの騙しあいと暴きあいの物語。

ディカプリオは犯罪者の一族に生まれてしまった自分の過去と決別し
自分のアイデンティティを見出したかった警察官。
激しさと繊細さとの中で苦悩する役。
レオ様はね〜、どんどん演技上手くなってきたな〜と思うんだけど
彼は「賞」というものに見放されているのでしょうか?だんだん気の毒になってきたよ。
あの童顔がいけないのかしら?(苦笑)

マット・デイモンはマフィアに育てられて、エリートコースまっしぐらな警察官。
非のうちどころがないかに見える彼は、自信に満ちて、富と権力に恋焦がれる。
彼はおぼっちゃんなお顔立ちで役どころにあってるんだけど
特に最後がちょっと浅い感じがしたかもな。

ジャック・ニコルソンは、そりゃ文句なくお上手だし、その存在感たるや・・・なのですが
ちょっとやり過ぎっていうか何ていうか。アナタ、顔の筋肉柔らかすぎですからっ!
これってコメディか??って思うほど。
私は少し苦手です。

俳優陣の中でいちばん良かったのは、毒舌でまくしたてるディグナム巡査部長かしら。
勢いあるねっ。唾が飛んできそうだよー。
最後のシーンの、あの物哀しそうな“目”がすごく良かったですv

オリジナルの方の香港映画「インファナル・アフェア」は私、未鑑賞でして・・・。
比べようがないのだけど
マフィアものっていうともっとおどろおどろした部分があるのかと思いきや
さすが?ハリウッドリメイク・・・妙にカラっとしております。
香港版のトニー・レオンとアンディ・ラウの絡みのほうが深そう、エグそうだな。
おしっ!観てみよう「インファナル・アフェア」あ、でも・・・3部作か。
ちょっと手間かかるな(笑)

それにしても、アメリカは“ネズミ”もデカイんだね。
ラストシーンのベランダのネズミに、私かなり 釘付け でした。
あの意味は・・・?何か隠されていませんか?メッセージが・・・。
私、わからないんです↓↓↓ 誰かわかった方教えてください。
わかるまで、何度でも観ろ!なのかな・・・?


男は、死ぬまで正体を明かせない。THE DEPARTED

監督賞を獲得だもの。
マーティン・スコセッシ監督は、とってもマニアックな映画監督らしいもの。
音楽の使い方にもセンスが感じられるもの・・・。
私なんぞには、気付けてないもっともっと奥深さがあるはずだわ、この映画。
映画レビュアーの皆さんのほとんどは香港版のオリジナルの方がずっといいっ!って
おっしゃっていて、割とレビューが辛口の方が多いんだけど
それは、きっとディカプリオとマット・デイモンがツルンとした
綺麗なお兄さんたちすぎるからじゃないかと・・・。ライト級に仕上がっているとなんというか。

サントラをじっくり聴いた後に、もう一回観たい映画です。

ところで、女医さんのマデリンのお腹の子はコリンの子じゃなくて、ビリーの子ですよね?!

映画ディパーテッド公式サイト
2006年/アメリカ
監督:マーティン・スコセッシ
制作:ビラッド・ピッド!!
音楽:ハワード・ショア(最近ではロード・オブ・ザ・リングとか)
主演:レオナルド・ディカプリオ @ビリー・コスティガン
マット・デイモン @コリン・サリバン
ジャック・ニコルソン @フランク・コステロ
マーク・ウォールヴァーグ @ディグナム

ディパーテッド・サントラ(視聴できるよ)

takamaien_n at 23:01|PermalinkComments(9)TrackBack(34)