読書感想文(自由研究?)

April 18, 2007

今日はいい降りなので

それも、軽井沢では雪でした。
昨日、風が冷たいなーと思っていたら、やっぱり・・・予報どおり、夕方から雪が降り始めました。
これで、桜の開花も少し遅れそうです。

家のまわりにあるりんご畑の扇風機が、霜よけのために、ずっとブンブンと回っています。

今晩は音がちょっとうるさいので、部屋を暖めて、毛布でしっかり足元をぬくぬくにして
小説じゃなくて、のんびりと写真集を眺めることにします。

365日空の旅

365日空の旅 かけがえのない地球
カメラマンはフランス人航空写真家のヤン・アルテュス=ベルトラン

彼の写真は、「ナショナル・ジオグラフィック」 や 「LIFE」などで
よく見かけるらしいんですが、全く知りませんでした。

この写真集は、空から見た地球上の美しい風景や、自然災害の様子、日常のひとコマなどが
1年間、1日1枚=365枚の写真と、それぞれその場所が抱える問題と共に
紹介されています。

まず、その日の写真を見て
それが南米なのか、北欧なのか、アジアなのか・・・どこの国の写真だろうと考えるんだけど
いかに自分が世界を知らないのかを思い知らされたり
想像力の欠落を感じたりしながらも
でも、その写真の美しさに目を奪われて、狭い部屋の中でも
思考だけが世界を駆け巡る楽しい時間が訪れます。

そして、そこに提起されている地球温暖化や経済の格差など
世界が抱える現実や様々な問題を考えさせられたりもします。

この写真集は、先日行ったブックカフェの本棚に並んでいるのが目に留まった写真で
そのカフェでものんびり眺めていたんですが
帰ってきて、また続きが読みたくなってネットで購入したもの。

癒される・・・というより、地球のことが愛おしくなります。BGMはアディエマスかなー。
---なんて思ってサイトをウロウロしてたら、You Tube で、こんなの見つけましたよ。
バレきち@3丁目さんのところで
「地球を巡る30日/30 Days of Earth Shots」っていうのも見つけました。
時間があったら、ぜひぜひどうぞ!!


365日空の旅 かけがえのない地球
撮影:ヤン・アルテュス=ベルトラン
著:クリスチャン・バルム
訳:清水玲奈
出版社:ピエ・ブックス

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November 28, 2006

山本勘助

去年から今年にかけて読んでいる小説は、気が付いてみたらほとんどが歴史小説。
(いや、もともと読んでいる数が少ないので、○○繋がりとかなると
偏っていってしまうだけの話でした。すんません)

最近読んだのは、来年の大河ドラマを意識して“山本勘助”ものを2冊。
何故ここへ繋がるか・・・の伏線については
これらの記事参照( 武田神社 春日山城 川中島合戦場 )

まず、永岡慶之助の「山本勘助 異形の軍師」
山本勘助













フィクションを上手く絡ませて
実在したのかどうかはっきりしないらしい山本勘助という人物を
著者なりに“描き出そうとした”作品なんだろうけれど
タイトルが「山本勘助」である割には、彼を描いた小説という感じはあまりしなくて
武田家が信濃地方をいかにして攻略したか・・・という史実に基づく戦記として
読めば納得なのかも。
それに、川中島合戦のことはほとんど描かれていなくて、ちょっと消化不良なカンジ。
井上靖の作品の方が「山本勘助」というタイトルが相応しかったのでは?

でも、信濃の、私も良く知っている地域や城の名前がたくさん出てくるので
「ああ、あそこでそんなことがあったんだね〜」なんて想像しながら読めるのは
楽しかった。
(そういえば、上田原の合戦の戦場となった塩田平あたりでは
つい数年前にバイパスが開通したんだけど
村上義清に攻め入られた板垣信方の隊のものか、白骨がいくつか発見されたらしい。
一日で2000〜3000人の死傷者があった合戦だったとか)

さて、井上靖の「風林火山」
小説 風林火山













大河ドラマ化に伴い単行本も新装版が出たらしい。私が読んだのは旧装丁の文庫本だけど。

自分の人生の後半をすべて武田家に捧げ、暗躍する山本勘助。
彼の苦悩、微妙な心理の描写がとても良かったと思う。
山本勘助という軍師を通じて
甲斐と信濃(一部、駿河も)の“戦国絵巻”を眺める作品かと思いきや
甲斐の猛将・武田信玄とその愛妾である由布姫を心から愛する
軍師というより悩み多き「人間」山本勘助の物語・・・として読みました。

来年の大河ドラマで内野聖陽さんが、その心の機微をどう演じてくださるのか
Gacktの上杉謙信とともに、とても楽しみです。

井上靖 風林火山
(amazon)

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September 14, 2006

ゆれる/単行本

さっき、うたた寝をしたら、全然眠れなくなってしまいました。
-----ので
なかなか書けなかった話題を、キャラメルチャイを飲みながら書くことにします。

映画『ゆれる』
第59回カンヌ国際映画祭 監督週間正式出品作品。話題になってますね。

哀しい哉・・・
私の住んでる地元の“田舎シネコン”ではたぶん上映されないタイプの映画なので
DVDが出るまでの間、小説でがまんしようかと思い、8月下旬にネットで探しました。
でもアマゾンでもセブンアンドワイでも軒並み入荷待ちで、人気あるんだなー実感して
いろんなサイトを渡り歩いて、やっと購入したんです、コレ。

単行本「ゆれる」

















監督の西川美和さんがご自分でノベライズされている小説。
彼女の脚本力、オヤジのように現場を“仕切る”監督魂・・・
映画監督としての素質、仕事っぷりは出演者からも大きな支持を得て
さらにカンヌでも評価が高かったそうですが
小説家としての西川さんの実力も、これからどんどん評価が高まるのでは??

それぞれの登場人物の独白スタイルで、ストーリーが展開していく手法なんだけど
心理描写がとっても上手でひき込まれるので、読書力の低い私もあっという間に読んでしまった。

獄中の面会室で兄弟の対決シーンとラストが特に印象的で、
それから父親の思い描く(理想とする)息子と現実とのギャップや
登場人物たちの人生への焦燥感というようなものが、少しずつ見えてくる。

事件が起こったことで、離れてしまったかに見える兄弟の心がすごく上手く描きこまれていて
自分の中で肯定してきた「自分のポジション」は
果して求められているそれだったのか・・・という疑問にかられて
自分でも気付かなかった「内なる自分」に気付いてしまった時、
理解している、理解されていると思っていた人間関係、家族関係の崩壊に
為すすべもない不器用さが、相手をそして自分をも深く傷つけていくんです。
痛いです。

ちょっと東京まで映画を観に行こうか・・・という気分にまでなっている私。


−兄弟をめぐるもうひとつの物語−
東京でカメラマンとして活躍する弟。実家に残り、家業と父親の世話に明け暮れる兄。
対照的な兄弟、だが二人は互いを尊敬していた、あの事件が起こるまでは…。
監督デビュー作『蛇イチゴ』で映画賞を総ナメにした俊英・西川美和が4年ぶりに挑んだ
完全オリジナル作品を、自らが小説化。
------単行本帯より。

単行本ゆれる(amazon)

映画 ゆ れ る 公式サイト

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July 25, 2006

絵本 あらしのよるに

絵本あらしのよるに
















映画「あらしのよるに」を観てから、ずっと原作本を読みたいと思っていました。
最近、足繁く通っている図書館で、ちびっ子に混じって児童書コーナーでしゃがみこみ
木村裕一さんの絵本を探し、シリーズ7冊をがしっと掴むと
クーラーの冷風の届かない場所を探して座り込み、一気に読んでしまいました。
(図書館は、私には寒すぎるのです・・・)

原作に忠実に映画化されていたようですので、映像やカブとメイの声を思い出しながら
夢中でページを繰っていきました。

嵐の夜に偶然出会ってしまったオオカミのガブとヤギのメイの友情物語。

相手を思いやるという気持ちの尊さを教えてくれる本です。
むしろ大人が読むべき本なのかもしれません。
映画のレビューのときにも書きましたが、これは恋愛小説のようでもあり。

小学校4年生の国語の教科書の題材にもなったのだそうですね。
250万部ものベストセラーだそうですね。

お子さんへの読み聞かせにもぴったりの本だと思います。
お母さんの心にもビンビンと響く本だし。

私は 映画の予告編(オフィシャルサイトでまだ見れます) だけで
いまだに涙が滲んできそう。

甥っ子のお誕生日にプレゼントしようかな。実は自分が欲しいのですが(笑)
それにしても、中村獅童のスキャンダルは残念なことで。

あらしのよるに ちいさな絵童話 りとる Amazon

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May 09, 2006

あれ?坂本龍馬じゃないの〜

今日も『竜馬がゆく』を読んでいます。

竜馬がゆく

















ゴールデンウィーク中に
日テレの番組で『ニッポン人が好きな100人の偉人』っていう歴史バラエティをやっていた。
CMでみて、久しぶりに見たいな〜と思う番組だったんだけど、帰宅したのが21:50
栄えある 第一位の発表中だった。

織田信長かあ。
絶対 坂本龍馬 だと思っていたんだけどな〜。

アルペジオさん のところにランキングが(11位までの)のっていました。


そりゃあ、信長は戦国時代のカリスマ武将で、すごいボスなんだと思う。
情報収集の能力レベルや“風”を読むセンスが卓越していたから
桶狭間でも勝利をおさめたのだろうけど・・・。
きっと 信長のような上司になりたいゼっ てな
お父さんたちからの票が集まったんでしょう。
でも 1位に輝くような愛すべきニンゲン なのかな〜というのが、私の感想で。

まあ、私のような歴史に全く疎い人に言われたくないわいっ でしょうが。
私は断然、龍馬が好きです。
というより、司馬遼太郎が描いた 竜馬 が好き。実在の人物像とは違うのかもしれません。

「竜馬がゆく」は「おーい竜馬」と共に私の最近の愛読書(遅咲きすぎますね)
でも、ほんとに竜馬の自由奔放さと言ったら、思わず笑わずにいられない。
疲れている時にこそ読んで、元気をもらいたくなる本です。

そういえば、むかしスキー場で一緒にアルバイトをしていたア○ノくん元気かな〜。
彼は 坂本龍馬 に心酔しきっていて、確か山梨県人だったけど、毎日土佐弁をしゃべりまくり
スキーのストックで北辰一刀流の練習(あぶないっ!!)をしていたっけ。


以下、竜馬好きの方に。
脱!竜馬がゆく
という TAMさんが管理されているサイトがとても面白い♪

ちなみに私は、
龍馬クイズの初級編(レベル1)は、クリアできるのですが
中級編になると・・・まだ勉強不足みたいです。
龍馬度チェックの性格判断(女性用)では 龍馬の奥さんのお竜タイプ。ちょっとウレシイ?
いや-----ただ単に 人は人、我は我の、わが道をいく我儘娘 ってことです。

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February 15, 2006

オルフェウスの窓

オルフェウス1















池田理代子大先生の「オルフェウスの窓」
念願叶って、遅まきながらつい先日読み終わりました。
かなり読み応えがあったな〜。だってややこしいんだもん、名前やら地名やら・・・。

「週刊マーガレット」から「月刊セブンティーン」に連載されていた頃、私は小学生。
それは大人の世界だったし、思い切り スポ魂少女 だった私がその存在を知る由もなく。
・・・気づいたのは高校生の頃。少しかじって読んだような気もするけど
とにかく歴史嫌いだった私の興味をあまり引くこともなかったのでしょう。
記憶にありません。

「オル窓」といえば、かの「ベルばら」と並ぶ大作だけど
「ベルばら」ほどメジャーではないからか(あの、私の認識違ってますか?)
今頃になってしまいました。

「ベルばら」はフランス革命、「オル窓」はロシア革命のお話。
両方とも男装の美しい人が主人公…というのは共通項。

「ベルばら」は 
オスカル と アンドレ マリー・アントワネット と フェルゼン くらいが
主要人物で相関図も比較的わかりやすいけど
「オル窓」はかなり複雑怪奇に?絡みあっています。
キーパーソンは ユリウス クラウス(アレクセイ) イザーク の3人なんだけど
そこにたくさんの人が絡みまくって、サスペンス劇場さながらの愛憎劇
深くて激しい恋模様が展開…。
シェイクスピアも真っ青の悲劇っぷりであります。

オルフェウス2























【第一部】 ドイツの街、レーゲンスブルクの聖ゼバスチアン音楽学校で繰り広げられる
[ オルフェウスとエウリディケの神話 ] を軸にした青春ドラマ。
ここは素直に 少女マンガ してます。そこにミステリーで味付けしたって感じ。

【第二部】 ウィーンでのイザークの活躍。でも彼の恋愛感は少し疑問だよね。
ここは、あんまりおもしろくなかった。

【第三部】 舞台はロシアへ。ロシア革命の勉強になります。
ユリウスを密かに愛し、帝政ロシアに命を捧げたユスーポフ侯・・・素敵!!!

【第四部】 ユリウスがドイツへ帰ってきます。なんて哀しい結末なんでしょう。
可哀想すぎる主人公ですね。

アレクセイ!!あなたはあんなに、必死に、すべてを賭けて闘ったのに・・・その国は
崩壊してしまいました。あぁぁ---

「オルフェウスの窓」についてより詳しく知りたい方は ウィキペディア にて
(注意:かなりしっかりあらすじが暴露されています)

予想どおり「オル窓」ファンサイトもいっぱいあって、深くて深くて
私にはとーてい読みきれないので、またそのうちに気が向いたら覗くことにします。

それより久しぶりにベートーヴェンが聴きたくなりました。

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November 26, 2005

森下典子 日日是好日4

f495a1ba.gifサブタイトルは
〜「お茶」が教えてくれた15のしあわせ〜
前向きになれる、お稽古事をしたくなる本。

ここに『お茶とワインはよく似ていた』と
書かれていたので「ボージョレ・ヌーボー」ネタで
それを思い出し、ひっぱり出してきて読み返してみた。

その一部をここに紹介いたします。

『その年の5月に積んだ茶葉を、茶壷につめてたくわえ、
11月初旬の炉開きのころ、初めて茶壷の封を切って
茶葉を臼で挽いて点てる「口切りの茶事」は、
茶事の中で最も重要な茶事だという。この時から、
その年の「新茶」が飲めるようになる。
だから、「炉開き」を「茶人の正月」と呼ぶ。
[新酒」のワインの封を切って祝うボジョレーヌーボー解禁も
11月だった。』
---とある。そうだったんだ!
日本には風物詩や初物を尊ぶ伝統があるから
こんなにもボージョレに熱狂するのですね。

私が季節をいちばん感じるのは におい だけれど
この本の帯には
『五感で季節を味わうよろこび』とある。
そんな風に過ごせるようになりたいものです。
それぞれの季節を尊び、愛しみ、五感で自然と繋がる!
これぞ日本人のアイデンティティですよね。

また
『おじぎは、ただ「相手に頭を下げる」ことではなかった。
頭を下げるというシンプルな動きに、
あらゆるものが含まれていた。「形」そのものが「心」だった』
---と、あったけれど、幼い頃からお茶を習っている私の友人も
やはり“おじぎが違う”のだ。
謹み深く卑屈さのない美しいおじぎの出来る人=美しい女性ですね。

お稽古ごと好きな私。でも、それには時間とお金も必要なのも現実。
それが私たちに「The Palette」という活動をスタートさせた
原動力でもあり・・・。

『ものを習うということは、相手の前に、
何も知らない「ゼロ」の自分を開くこと』
『「自分は何も知らない」ということを知る』こと。

そこには自分を開放できる時間と場所が待っています。
そう思いませんか?

最後に本書からここに残しておきたい至言を。

『目を覚ましなさい。人間はどんな日だって楽しむことができる。
そして人間は、そのことに気付く絶好のチャンスの連続に生きている』

『この世には、学校で習ったのとはまったく別の「勉強」がある。
あれから二十年が過ぎ、今は思う。
それは、教えられた答えを出すことでも、優劣を競争することでもなく、
自分で一つ一つ気づきながら、答えをつかみとることだ。
自分の方法で、あるがままの自分の成長の道を作ることだ。
気づくこと。一生涯、自分の成長に気づき続けること。
「学び」とは、そうやって、自分を育てることなのだ。』

20年もかかって体得したことを惜しげもなく
こうして教えてくださってありがとう!!!森下典子さん。

日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ

著:森下典子
飛鳥新社 2002

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October 28, 2005

メメント・モリ5

145668b1.jpg真っ青な青空に紅葉した葉っぱが
綺麗に映えて、美しくて、長閑で
なんて気持ちのいい休日。

ドライブしながらでも
どこか美術館とか写真展でも
観に行きたいと思ったのだけど・・・。
残念ながらこの後用事があるので
家にある写真集で我慢しよう、と
その中で藤原新也さんの「メメント・モリ」を
手に取ってしまった。
でもこれは、うららかな日差しのもとで読むような本
・・・じゃあないと、思う。
「生きること」を深く考えずにはいられない本だから。

メメント・モリ・・・とはラテン語で
[ 自分が、いつか、必ず、死ぬことを忘れるな ]
という意味の警句なのだそう。
詳しくはWikipediaにて。

いつだったか…少し前に駒ヶ根高原美術館の彼の常設展を観に行った。
ずーっと前から行きたかった美術館ではあったのだけれど
私はしばらく、彼の写真と言葉とブラックライトとで彩られた
展示室から出てくることが出来なかったのを覚えている。

思わす固まってしまった写真の前に掲げられていた彼の言葉。

「死というものは、なしくずしにヒトに訪れる
ものではなく、死が訪れたその最期のときの
何時かの瞬間を、ヒトは決断し、選びとるのです。
だから
生きているあいだに、あなたが死ぬときのための
決断力をやしなっておきなさい。」

深い言葉です。

そしてもうひとつ。私がいちばん好きな写真に添えられた言葉。
その写真を実際にここで紹介できないのが残念なんだけど。

「黄色と呼べば、優しすぎ
黄金色と呼べば、艶やかに過ぎる。
朽葉色(くちばいろ)と呼べば、人の心が通う。」

秋の里山の小さな民家の裏山の何気ない写真。
長閑で罪のない、空と木々と洗濯物。
ああぁ。  ひとすじ涙がこぼれました。

近場の美術館ではないけれど、絶対おススメです。駒ヶ根高原美術館

そしてメメント・モリも。

そしてそして藤原新也オフィシャルサイトも。

トラビスさんのページherb_diamondさんのページでも紹介されています。

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September 23, 2005

『母』4

54e2d912.jpgクリスチャン作家三浦綾子さんの
代表作?といえば…かの有名な『氷点』

ウエディングの仕事に携わっていると
教会挙式の中で
三浦光世・綾子夫妻のことを取り上げて
夫婦とは?結婚するとは?ということを
語りつつ、聖書の愛について


説教をしてくださる牧師さんもいて
何となく身近に感じている方。
(そのわりに読んでなくて、80余りもあるという
彼女の作品から私が読んだのは5つくらいだけど・・・)

旭川に生まれて教師をしながら
軍国主義・戦争とともに生き、終戦を迎えると
肺結核と脊椎カリエスを患い、その後も
帯状疱疹や直腸ガン、パーキンソン病などの
大病とも闘いぬいた苦悩の生涯にともにあったのは
キリスト教の信仰。

彼女が世に送り出したたくさんの作品に
共通しているテーマは「人間はいかに生きるべきなのか」
ということなのだと思う。

30代も半ばになると、友達とのおしゃべりも
「人生」がテーマになることが多いので
書評や帯に書かれている“家族”とか“生きる”などの
文字に自然と敏感に反応してるんだと思う。
今また、彼女の作品を読もうと文庫本を積み上げています。

悪名高き<治安維持法>により<特高>に拷問死させられた
プロレタリア文学作家の小林多喜二とその母セキの
波乱の生涯を描いた『母』というこの小説を、
戦後60年の8月に本屋で手に取りました。

母セキの訥訥とした秋田弁の語り口調で書かれていて
それだけで何だか胸に込み上げてくるものがあるのです。
多喜二の理想と信念をずっと見守り続けていた母セキ・・・。
親の存在の有難さに涙した一冊でした。

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August 26, 2005

豊饒の海 春の雪3

5201bb4a.JPG久しぶりに三島文学に触れた。

本屋で帯に[妻夫木聡]を見つけて
手にとった本なのは、事実で
まるで小学生の感想文のようだけど
読書っていいね。と素直に思ってしまったよ。


世に“三島好き”な方はたくさんいるだろうけど
その“好き”であることのいちばんのファクターは文体でしょうね。

特に、この「豊饒の海〜春の雪」の流れるようでいて
緻密に計算されたかのような文章。選び抜かれた言葉たち。
引き込まれました。

10月ロードショーの映画もある意味楽しみ。
この三島の美しい小説をどう表現してくれるのか。
でも春の海だけ?
今そこいらで売れまくっているらしい(ナジェ?)
途中でフェイドアウトしちゃう「クラシック100」とか何とかって
CDみたいな中途半端なことにはならないのかな?
ならんか。

松枝清顕を妻夫木聡、綾倉聡子を竹内結子が演じるとのこと。
このふたりは、かの「タイタニック」地上波放送時の
日本語吹替版のコンビってほんと?
本多繁邦は高岡蒼佑・・・誰?よく知らない。

監督は今をときめく?!行定勲で。
(でもセカチューとは一線を画してやってくれよなっっ!!)

そんでもって、
撮影が李屏賓(リーピンビン)だそうなので。
⇒お気に入りの映画「花様年華」のアノ色使いに
参った私は“映像美”への期待度は、かなり大!

岩代太郎のピアノも哀しげ。
春の雪」公式ページのトレイラーでチェックできる。



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