小説

November 28, 2006

山本勘助

去年から今年にかけて読んでいる小説は、気が付いてみたらほとんどが歴史小説。
(いや、もともと読んでいる数が少ないので、○○繋がりとかなると
偏っていってしまうだけの話でした。すんません)

最近読んだのは、来年の大河ドラマを意識して“山本勘助”ものを2冊。
何故ここへ繋がるか・・・の伏線については
これらの記事参照( 武田神社 春日山城 川中島合戦場 )

まず、永岡慶之助の「山本勘助 異形の軍師」
山本勘助













フィクションを上手く絡ませて
実在したのかどうかはっきりしないらしい山本勘助という人物を
著者なりに“描き出そうとした”作品なんだろうけれど
タイトルが「山本勘助」である割には、彼を描いた小説という感じはあまりしなくて
武田家が信濃地方をいかにして攻略したか・・・という史実に基づく戦記として
読めば納得なのかも。
それに、川中島合戦のことはほとんど描かれていなくて、ちょっと消化不良なカンジ。
井上靖の作品の方が「山本勘助」というタイトルが相応しかったのでは?

でも、信濃の、私も良く知っている地域や城の名前がたくさん出てくるので
「ああ、あそこでそんなことがあったんだね〜」なんて想像しながら読めるのは
楽しかった。
(そういえば、上田原の合戦の戦場となった塩田平あたりでは
つい数年前にバイパスが開通したんだけど
村上義清に攻め入られた板垣信方の隊のものか、白骨がいくつか発見されたらしい。
一日で2000〜3000人の死傷者があった合戦だったとか)

さて、井上靖の「風林火山」
小説 風林火山













大河ドラマ化に伴い単行本も新装版が出たらしい。私が読んだのは旧装丁の文庫本だけど。

自分の人生の後半をすべて武田家に捧げ、暗躍する山本勘助。
彼の苦悩、微妙な心理の描写がとても良かったと思う。
山本勘助という軍師を通じて
甲斐と信濃(一部、駿河も)の“戦国絵巻”を眺める作品かと思いきや
甲斐の猛将・武田信玄とその愛妾である由布姫を心から愛する
軍師というより悩み多き「人間」山本勘助の物語・・・として読みました。

来年の大河ドラマで内野聖陽さんが、その心の機微をどう演じてくださるのか
Gacktの上杉謙信とともに、とても楽しみです。

井上靖 風林火山
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takamaien_n at 17:25|PermalinkComments(4)TrackBack(1)