骨董品

May 17, 2007

酒田の本間様

前山寺の日本庭園の写真で思い出した山形県酒田の美術館のこと。

本間美術館1

冬の山形だというのに雪がちっともなくて、ちょっと拍子抜けしてしまったのだけれど
でもやっぱり、日本一の大地主といわれ、今も本間さま本間さまと親しみを込めて
呼ばれている坂田の豪商はすごい人だったんだなーと実感しました。

藩主酒井のお殿様はもちろんのこと、東宮殿下(昭和天皇)も
お泊りになったことがあるという本間家の旧別荘「清遠閣」は
やがて迎賓館としても利用されるようになったそうで
風景がゆがんでみえる手漉きのガラス窓とか、シャンデリアとか、梅の透かし彫りの欄間とか・・・
大正ロマンな雰囲気が漂い、意匠を凝らした当時の最高級の技術が詰まったお部屋からは
見事な日本庭園の「鶴舞園」が望めます。
窓際にさりげなく置かれたイスが何とも言えず美しかった。
数々の骨董品も美術品も素晴らしく、ずいぶんとのんびり鑑賞させていただきました。
でも館内は撮影禁止。その感動が伝えられないのが寂しいなー。

本間美術館2

本間様はこのお屋敷や庭園を作ったのは
何も、自分の満足のため、贅を極めるためではなかったらしい。
庄内平野の米を港から北前船で出荷し
それと交換に京をはじめ様々な地域と貿易をして栄えた街、酒田。

その港湾労働者たちも、寒くなると時化るコトの多い日本海では冬は仕事にならない。
そんな彼らの働き口を確保するために、港から木や石をたくさん運ばせて
この別荘と庭園を作り上げたのだそう。
だから。
「本間様には及びもせぬが、せめてなりたやお殿様」-----と歌われるほど
庶民にとっては、殿様よりも本間様の方がすごい人だったってことらしいね。

当時は三井家や住友家に並ぶ大商家だったというけれど私腹を肥やすことなく
民衆のためにお骨を折ってくださって、酒田発展に尽くして来られたのですね。
有難い御方です。

今頃、この庭園は躑躅なんかが満開でさぞや美しい風景になっているのでしょうね。
私、季節を間違えました・・・ね。

本間美術館4

それから新館(・・・ってそうは思えないないんだけど)、と呼ばれている美術館の方も
地味ですが、でも、なかなかいい味かも・・・です。この看板のフォント?が好き。

昭和60年代のインテリアも、なかなかステキ!
本間美術館3

---なんて言っても撮れたのはこれだけですが。
でも、かっこいいランプシェードだと思いませんか?カフェとかで真似していそうなカンジです。

財団法人 本間美術館公式サイト
山形県酒田市御成町7-7
TEL:0234-24-4311

takamaien_n at 23:48|PermalinkComments(0)TrackBack(1)